「もし生まれ変わっても、僕は君を愛するよ!」
って、悲しい別れや天寿を全うしたときに言うセリフを、たまにドラマや映画で見聞きすることがありますが、私はこの言葉があまり好きではありません。生まれ変わった時に、転生前の記憶が復活するかどうかわからないからです。なにしろ試したことがありません。それに、もし本当に生まれ変わりがあるとしたら、今の私も誰かの生まれ変わりということになります。

志半ばにして無念の死を迎えた人か、あるいは今度こそ鳥に生まれたいと願って亡くなっていった人、はたまた、遥か古代の弥生時代あたりに、稲作を始めようと躍起になっていた時に木から落ちて命を落とした村の青年の生まれ変わりという可能性もあるはずです。
しかし今の所、煮えたぎる無念の気持ちも鳥の気持ちも心の底から湧き上がってくることはありませんし、卑弥呼様の顔さえ思い出せません。

それにしても、良い言葉というものはあるものですね。木梨憲武さんの芸術作品が最近どんな作風なのかということを調べていたとき、ひょんなきっかけでこの言葉に出会いました。
“生まれ変わるなら、生きているうちに”

忘れていました。
生きていても生まれ変われることを。

今日はそんな思いを胸に、授業に臨みます。

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