私がまだ駆け出しの教師だった頃,ある中1の塾生がある不満を言いました。
「友達とかに頭いいって言われるの,むかつきます!」

(私のように,褒められるのがちょっと苦手ということなのかな?!)
と思いましたが,理由をはっきりと知りたかったのでその子に尋ねると,
「確かに私はテストの点数が良いかもしれませんが,私は勉強をちゃんとやっています。勉強をしていて点数がいいのは当たり前なのに,なんでみんな“頭がいいから”って言うんですかね?」

私がその質問にどう答えたのかは忘れてしまいましたが,
その子の不満は理解できます。
つまり“テストで点数を取れる人は,たいして苦労もせずに成果が出るからいいね。うらやましい”
そう思われていると感じていたのでしょう。

たしかに学力はみな平等とは言えません。
でも,良い結果を出している人は,すべて生まれつきの能力が高かったり,単にラッキーなわけではなく,努力しているということを,ちょうどその時,私にうったえてきたのでした。

翻って先週のこと
個別授業に参加していた子がノートにこう書いていました
“動詞が無いだろ!”
これは,個別授業のときにやった問題をその子が間違えた後,自発的にノートに書いていたものでした。
じつは私がまったく同じセリフで,その子の書いた答えに対して間違いを指摘したのですが,その言葉をそのまま書いて,先生に注意されたことを思い出せるようにしていたそうです。素晴らしいこころがけでした。
“そのことに気づかなかったことに反省しないと!ミスは次の成功の種だ!”
そういう気持ちが強かったということですから。

この子がこんなに真剣にこの個別授業で貪欲に学ぼうとしていた。
その気持ちに報いられるように,指導を続けていこう。
そう思いました。
私たちは教師で教えるのが仕事ですが,日々生徒からも教えられることばかりです。
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